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サンクチュアリー

ダンスを作るたびに、いろいろな事を感じ、考え、思います。
ただダンスを、動きを、形を美しく、面白く、斬新に、魅せればいいんじゃない。
ただ、定期的に公演をすればいいんじゃない。
生きること=ダンスだと、舞台でその人が透けて見えてしまうんだと、舞台を作るたびに、ひしひしと感じます。


数ヶ月前の話ですが、9年前に参加させて頂いた、慶應大学での大野一雄舞踏公演のパンフレットが本棚からでてきました。
久しぶりに開けてみたら、懐かしくなるよりも新鮮な気持ちになりました。

『あるところにくると死と生はひとつになる。いま生きていたかと思うと、今度は死のところにまでいく。…』(大野一雄 稽古場の言葉)

9年前の私は、大野一雄先生の言葉を、理解できなかった、と感じます。今ですら、理解を超えてる…。
頭で理解するのではなく、身に染みて感じることなんだろうからね。理解するとかじゃないんだけど。

そんなことより、まずは当時、若気の至りと直感で舞踏の世界に足を踏み入れて、訳の分からないリアルな奥深さを真の当たりにしてうろたえたことに、意義があったとも感じます。


そして今、、女の30代って、体の機能が一番充実してるのかもって踊ってて感じる一方で老いも死も確実に感じ出す年ごろだなって感じます。
それに女の30代、うち6年は厄年です…よね。確か。
出産での死亡率が昔高かったのだとは思うけど、私自身厄年に体の絶不調にかなり泣かされたから、体は確実に曲がり角を曲がっていて、おとろえに向かってるのだとも感じます。だから、人は老いてから、自ずと花のようなリアルを表現する力が湧き出てくるのかもしれない。


『花の世界は死の世界だ。花を見ている。魂が交感し、肉体がひとつになって、自分が生きていることを忘れる。死そのもののなかで踊っている。あるときは死の世界で、気がつくと生の世界。死、生、死、生。』

この感覚をしっかり体験したのは、ダンスを諦め屈折していた思春期に生け花に没頭した時だったのだと、今になって気づいたけど、花という自分以外の対象にではなく、ようやく私自身の中に、それをリアルに感じる領域に近づいてきたのかもしれない。

舞踏は、40歳からがスタートだと、1年ちょっと前のソロ公演直後に合田先生にご指摘いただいたのだけど、本当だな、と感じます。

あわてず、あせらず、まずはこの先も、このまま感ずるがまま、出会うがままを受けとめて、日々の出来事を豊かに体験して、やがて老いて本当の花を咲かせられたら、死に際に素敵な人生だったと言えるのだろうな、とふと感じた、再会でした。

大野一雄先生との出逢いなくしては、私は今ダンスをしていなかったから、本当に有難い存在です。
『あるところにくると死と生はひとつになる。いま生きていたかと思うと、今度は死のところにまでいく。…』
今まさにこの境地にいらっしゃるのだと思います。いつまでも、誰よりも先を進んでいらっしゃる、勇気ある方だと、思います。


さて、明日は富士の麓にゴミ拾いにいってきます。

先月のスーザン・オズボーンさんたちとの今立への旅の途中、車から富士がみえて、スーザンさんが大騒ぎでした。
だれが見ても富士山って美しいんだなあと思う一方で、頭に浮かんだのは以前参加したゴミ拾いです。。

富士講の跡のすぐ裏側で、30年前の不法投棄ゴミが大量にでてきました。
100年前の日本人には予想できなかっただろうな。。70年程度で日本人が大切にした聖地を日本人がゴミ捨て場にするとはね。
富士山が噴火して、火山灰で埋もれて、2000年後の人が地層を調べたら、縄文時代の貝塚みたいに聖地とゴミを発見するんだろうな。そこから何を感じ取るのかしら?
そして、拾ったドレッシングの空き瓶をみて、これを使った人は今50〜70歳になってるんだろうか、今は何をしているのかしら?生きているのか、死んでいるのか?家族に温かく包まれて今まさに死のうとしているところか?などなど、12月の寒い雨の中、イメージが膨らみました。

明日も雨のようですが・・・、いろいろなことを知って気づいて感じてきます。

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